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世界唯一の「クール・ジャパン」

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本」、読みました。返却期限になる前に手短に紹介。著者は杉山知之。2006年2月発行。定価1,680円。出版社は祥伝社。ISBNは4-396-6126-1。ごく簡単に説明すると、日本のポップカルチャーとコンテンツ産業についてのまとめ本。アニメやゲームやマンガといった文化についての再評価がメインです。

実はこの「まとめ」って今まで無かったと思うのよ。海外でのアニメ事情とか色々調べてたんだけど、結構「攻殻」とか「AKIRA」とか……具体的な出来事の考察だけで終わってしまうようなものが多くて、全体の流れや動きを知るまでにはかなり探し回らなくてはならなかった。ところがこの本はそういう疑問を解く鍵となる話が分かりやすくまとめられてて、手っ取り早く「日本文化と海外事情」を知ることが出来る。世界共通語になったOTAKU、日本独自の表現技法、知的財産と世界進出の裏側……そういう過去と現在をしっかり押さえていて好感を持ちました。もちろん将来像についてもきちんと解説していますし、なかなか共感できるものがあります。様々なコンテンツを日本の発展とどう結びつけるか……作者がしっかりとしたビジョンを持っているのを感じました。

という訳でこの本は……そうだなぁ、ポップカルチャーに興味や感心のある方よりも、逆に「コンテンツ産業?そんなの関係無いよ」「オタクの戯言に過ぎないんじゃない?」と思っている方こそ読んで頂きたいですね。日本という国を見直すきっかけになるでしょうし、未来の産業像を考えるためにもオススメしたい。もちろんそうでない方でも損は無いはず。とにかく一度図書館へ……え?探す暇が無い?それは失礼致しました。「とにかく蔵書を増やしたい」「在庫が無くてどうするの」という方も是非amazonで。

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本
クール・ジャパン 世界が買いたがる日本