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Front-end web developer / Wikipedian / OCD patient

未来の機能を今日使う

日立のナノテクCMのキャッチコピーと言えば「未来の機能を今日使う」。日立独自のナノテクノロジー応用製品を総称する言葉としては、良い言葉なのでしょう。いや、それはまあともかく。

少し前、具体的に言えば「ユニバーサルHTML/XHTML」を購入してからしばらく経ったあたり。そのころ私は「次世代のWebでは双方向リンクが標準的になって、それはXLinkによって実現される」と考えていました。Web上のリソースが「片思い」から「両思い」になる、そんなちょっと素敵な考えを。具体的にどうやって実現するのか未だに分からないままだけど。

ところがそんなXLinkは全く普及せず、代わりに現れたのは「TrackBack」などと称する技術。ごく普通のHTTPと、ごく普通のCGIを組み合わせた、信じられないほど現実的な技術。誰でも思いつきそうな位簡単なテクノロジー。ブログの普及に伴ってあっという間に広がり、今となっては完全なるデファクトスタンダードに。

そう、ウェブ上、ウェブコミュニティ上においては「未来の機能を今日使う」じゃ無いんだな。優れたアイデアさえあれば、既存の技術だけで素敵な仕組みを作れる。いつになるか分からない、そんな新しい技術を待たずとも「未来」は生み出せる、みたいな。ちょっと支離滅裂だけど。

例えば先ほどの@ITの記事、「編集者に依存したコンテンツ配信」なんてXLinkを使わずとも今ここにソーシャルブックマークはあるじゃない。普通のHTMLと、普通のCGIと、普通のJavascriptで。他にもAjaxだとか、Podcastだとか、Lifehacksだって、優れたアイデアが生み出した枯れた技術の応用系。

革新的な技術開発はもちろん重要で、それが無ければ今の社会は無いとは思うんだけど、こういう様なケースを見ていると「それって、今の技術で出来無くない?」って感じるわけで。ほら、PSPニンテンドーDSの現状を見ていると、中途半端な未来はもはや無意味なんだなぁと、使えないと思っていた/枯れたと思っていた技術も日が変われば新しい価値が生まれるんだなぁと、言いたくなる訳よ。